五稜会病院

北海道札幌市の精神科病院である五稜会病院。同院は患者の安全管理のために設置しているセキュリティカメラの映像確認業務の工数に課題を抱えていました。例えば、患者の離院 ( 無断外出 ) などは迅速な対応が求められますが、目視による映像の確認は、どうしても時間がかかっていたのです。そこで導入したのが映像分析機能に定評のあるVerkada のセキュリティカメラです。必要に応じて映像をすぐに絞り込み、状況を速やかに把握。迅速に対応できる体制を整えました。
お客様の課題
トラブル対応のためにセキュリティカメラの映像を確認しても、目的の瞬間を探し出すのは時間がかかる
レコーダーなどの関連機器を各階に設置しなければならず、コストと運用の手間がかかる
Verkada選定理由
高度な映像分析機能でPCはもちろんモバイルからでもすぐに目的の映像などを探し出せる。患者の離院などのトラブルへの対応力が上がった
セキュリティカメラ関連機器の設置や管理、映像の確認業務などの負担が軽減し患者のケアなどに集中できる
映像から「瞬間」を探し出すのに時間がかかる
「こころと身体のクリニック」を掲げ、患者一人ひとりへの配慮、カウンセリングを重視した精神科医療を展開している五稜会病院。北海道札幌市にて地域の精神保健福祉医療を担っています。
「療養病棟や急性期治療病棟、ストレスケア・思春期病棟など複数の病棟を構えており、病床数は193床、1日の平均外来数は約250人と単科の病院としては比較的大きな規模となります」と同院の田中 倉一氏は話します。
この規模に対応しながら、患者の安全を守るため、廊下や玄関ロビーなど、病棟の各所にセキュリティカメラを設置し、患者の見守りや防犯、トラブル対応に活用しています。
「盗難や不法な侵入といった一般的なトラブルだけではありません。入院患者様の無断での離院など、病院ならではのトラブルもあります。ベッドにいない、病棟の中を探してもいない。無断で離院してしまった可能性が高いと判断すると、ロビーや玄関のセキュリティカメラの映像を見て調査し、迅速かつ適切に対応しなければなりません」と同院の阿閉 拳剛氏は言います。
しかし、セキュリティカメラについて同院は課題を感じていました。映像の確認にかかる工数です。
「前述した無断での離院を例に挙げると、ある時間帯までは病棟内にいたという情報を頼りに時間帯を絞り込むのですが、ほとんどの場合、かなりの量の映像を目視で確認することになります。従前のセキュリティカメラは、映像が粗く、個人を特定するのが難しい上、多少画質がよかったとしてもたくさんの人が行き交う映像の中から服装などを頼りに、その瞬間を記録した映像を見つけるのは非常に困難。患者様の安否を確認するために迅速な対応が求められるにもかかわらず、時間がかかってしまうことがありました」と阿閉氏は話します。
豊富な映像分析機能を高く評価
そこで、同院は、まず玄関ロビーやエレベーターホール、駐車場など、人通りの要所を中心にセキュリティカメラをリプレースすることを決めました。他の病院からの推薦を受け、導入したのがVerkadaのセキュリティカメラです。
何より評価したのが映像分析機能の高さです。「洋服の色、マスクを付けている、帽子をかぶっているといった服装や性別で検索をかけて映像を絞り込むことができ、特定の人物を選択して、その人物の一連の行動を追跡することもできる。映像を見て、きちんと個人を特定できる画質の高さはもちろんですが、これらの映像分析機能を活用すれば、トラブル発生時に、すぐに確認したい映像にたどり着けると考えました」と阿閉氏は言います。
他にも混雑傾向機能を利用すれば、その場所のおおよその通行量を1時間単位のグラフで把握することが可能。人通りがある時間帯だけに絞り込んで、映像を確認することもできます。「より低価格で導入できるセキュリティカメラもありましたが、これだけの機能を備えているのならVerkadaのセキュリティカメラの価格は妥当。既存のものは映像を記録するNVR(ネットワークビデオレコーダ-)を各階に設置しなければならず、コストと運用の手間がかかっていますが、Verkadaなら、それも不要で初期投資も運用負荷も抑えられる。費用対効果は高いと判断しました」と田中氏は話します。


自動検知とアラート機能などに期待
導入したVerkadaセキュリティカメラは、同院の期待通りの成果につながっています。
「患者様が見当たらないという報告や相談を受けたら、無断で離院した形跡はないか、病棟の看護師などと一緒に映像を確認。映像をすぐに絞り込める上、その映像が本人かどうかも正確に判断でき、迅速に対応できます」と阿閉氏は言います。
現在は、主に無断離院のようなトラブル発生時の映像分析が中心ですが、Verkadaの機能を有効活用すれば、さらに用途が広がると考えています。「場所やデバイスを問わず、いつでも映像を確認できる点を活かしつつ、異常を検知してリアルタイムにスマートフォンにアラートが届くように設定しておけば、不審者など特定の人物の行動をキャッチし、迅速に対応できると考えています。『アラート設定は、エレベーターホールのセキュリティカメラなど、対象を絞って設計すれば、病棟などプライベートなエリアへの侵入に対するアラート数を適正にできる』などVerkadaの担当者からもアドバイスをもらい、テストを行っています」と田中氏は言います。
また、クラウドによる一元管理、閲覧・操作に関する権限管理を利用すれば、病棟にいる職員にも適切に権限を付与し、その場で映像を確認できるようにできます。「各病棟の看護師長などに権限を持ってもらうことで、トラブルへの対応力をさらに強化できないか検討中です」(阿閉氏)。
クラウドに映像が保管されることに、当初はセキュリティの懸念もあったといいますが、暗号化などの対策や採用しているクラウドサービスなどVerkadaのサービス基盤に関する説明を受け、信頼して利用しています。
このように同院は画質の高さ、映像分析機能の豊富さ、クラウド管理というVerkadaの特徴を活かし、患者の安否確認業務や関連機器の運用管理などを効率化。職員が患者のケアなどに集中できる環境を実現しました。この成果を活かし、既存のセキュリティカメラもVerkadaにリプレースし、セキュリティのさらなる強化を図ることを検討しています。
医療法人社団 五稜会病院
北海道札幌市北区篠路9条6丁目2-3